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妊娠と薬剤Q&A


Q8 妊娠中に湿布薬(ケトプロフェン)を使用しても大丈夫でしょうか?
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妊娠後期の女性は禁忌です。また、妊娠期間を通し薬剤の影響を示唆する報告がありますので注意が必要です。

ケトプロフェン製剤の妊娠中の使用については、坐剤および注射剤は既に妊娠後期の女性への使用が禁忌とされていましたが、外皮用剤については禁忌とされていませんでした。しかし、妊娠後期の女性がケトプロフェンのテープ剤を使用して胎児に動脈管収縮が起きた症例が集積したこと等から、【禁忌】、【妊婦、産婦、授乳婦等への投与】の項において、妊娠中の使用に関する注意が追記されました。

ケトプロフェン外皮用剤の使用上の注意(平成26年4月現在)
表22 ケトプロフェン外皮用剤の使用上の注意(平成26年4月現在)

参考:医薬品・医療機器等安全性情報  №312(2014年4月)

ケトプロフェンでの湿布では羊水過少症をおこす可能性があります。また、妊娠後期では胎児動脈管収縮、新生児肺高血圧症を引き起こす可能性が報告されています。
妊娠中は足腰の痛みを伴うことがあり、安易に湿布剤を使ってしまうことがありますが、湿布剤は医師、薬剤師に相談をして使用することを勧めてください。湿布剤以外の外用鎮痛剤(ゲル、軟膏、クリーム剤)も注意が必要です。マッサージなどの検討を指導してください。

<補足情報>
外皮用剤に使用されるほかの成分については、ジクロフェナクでは動脈管収縮や動脈管閉鎖、徐脈、羊水過少が引き起こされ、胎児への影響が高まると言われています。また、妊娠後期での使用は動脈管開存症、胎児循環持続症、新生児肺高血圧症、乏尿を引き起こす可能性があります(全身投与での報告)。注意が必要です。

インドメタシンでは、胎児の動脈管収縮、動脈管開存症、胎児循環持続症、胎児腎不全、胎児腸穿孔、羊水過少症などが引き起こされた事例が報告されています(全身投与での報告)。また、妊娠中に本剤を内服して予定より早く生まれた新生児には、壊死性腸炎の発生率が高くなるとの報告、消化管穿孔等を引き起こす可能性もあるとの報告もあります。

内服薬(NSAIDs)について、妊娠初期に使用することによる奇形発生の疫学研究はいくつかあります。しかし、いずれもNSAIDsを妊娠中に使用することにより奇形発生率は増加しないという結果でした。また、妊娠初期の使用と流産の関連についての疫学研究はいくつかありますが、いずれもNSAIDsの妊娠初期使用により流産率が増加するのではとしていますが、現時点ではまだ結論は出ていません。さらに妊娠後期に使用すると胎児の動脈管の早期閉鎖が起こり、出生後に遷延性肺高血圧症や動脈管開存症が起こるとの研究が報告されています。

まとめますと、妊娠初期で使用しても先天異常の起こる頻度は増加しないと考えられますが、流産率が増加する可能性があります。よって、妊娠後期の使用については胎児~新生児への影響があるため避けることが望ましいとされています。また、分娩時の出血や分娩時期の遅れの原因になることがあるとの報告もあります。

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