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特集 妊娠と薬に関する知識 薬剤師として必要なリスクコミュニケーション能力
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妊娠と薬剤Q&A


Q5 妊娠中に葉酸を摂取すると良い理由は何ですか?
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神経管閉鎖障害の発症リスクの低減や口唇口蓋裂、心血管系異常、泌尿器系異常、ダウン症などの発症リスクの減少などが期待できます。また、葉酸は脳梗塞や心臓発作などの予防効果があるともいわれています。

葉酸は、緑黄色野菜に多く含まれているビタミンB群の一種で、アミノ酸代謝や核酸成分の合成に補酵素として関与し、免疫力を高め、ビタミンB12とともに造血にも働きます。

米国CDC(Center for Disease Control)の勧告(1992年)ではすでに神経管閉鎖障害の発症のリスクを減少させるため1日0.4mgの葉酸摂取を勧告しています。近年、葉酸は妊婦において神経管閉鎖障害(二分脊椎症、無脳症など)発症リスクの軽減の効果は必ずしも明確ではありませんが、幾つかの疫学研究から妊娠可能な年齢の女性等への葉酸の摂取がその発症のリスクを低減することが、示唆されています。
米国やカナダでは穀類に葉酸が添加されています。

日本での葉酸の認知度は、まだまだ低いのが現状です。また、諸外国と比較して、二分脊椎の発症率が低いことなどの理由から、これまで関連する疫学調査はほとんど行われておらず、神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための葉酸の利用について特段の対応はされてきませんでした。

しかし、平成11年に報告された神経管閉鎖障害の発症率が低い中国南部における研究において、葉酸の摂取が神経管閉鎖障害の発症リスクを低減させるとの調査結果が示されたこと、平成11年の厚生科学研究において、我が国の二分脊椎の発症率が増加傾向にあることなどの理由から、厚生省児童家庭局母子保健課通知「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」が発出され、妊娠前からの葉酸の積極的な摂取が勧められるようになってきています (表19)。

注意しなければいけないのは、神経管閉鎖障害の発症は遺伝要因などを含めた多因子による複合的なもので、葉酸摂取のみで発症を予防できるわけではないということです。集団として、一定量の葉酸の摂取により発症リスクの低減が期待できるのだということを十分に時間をかけて説明する必要があります。
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