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特集 妊娠と薬に関する知識 薬剤師として必要なリスクコミュニケーション能力
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妊娠と薬剤Q&A


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薬剤による催奇形性の発生率について

 

薬剤による先天異常の発生率よりも、先天異常の発生率(母体の薬剤使用とは無関係に自然に起こる奇形の発生率)の方が高いという報告があります。

妊婦または妊娠を希望する慢性疾患の患者さんに、服薬の危険性を説明する場合は、先天異常の発生率についても、十分に理解していただく必要があります。時間をかけてしっかり説明することが、リスクコミュニケーションの観点からも重要です。

これまで世界保健機構(WHO)を含め様々な調査研究が行われてきていますが、調査された時代や時期、環境、調査対象集団などが異なります。また、調査対象も重篤な奇形や珍しい奇形など様々で、統一されていないのが現状です。

先天異常の発生率(表2)は、調査された時期が出生直後か1年後か10年後かによって異なってきます。先天異常は出生時に発見されるばかりではありません。内臓の奇形などはある程度時間が経過しなければ発見できないことがあります。
通常、出産時(1カ月・3カ月検診時も含む)に発見される先天大奇形(外観的に明確又は症状的に明らかに奇形と判断できる奇形)の発生頻度は約3%であるとされています。

先天異常(3%)の原因(表3)は、不明であることが多く(50~60%)、その他、多因子遺伝(20~25%)、薬剤を含む環境因子(7~10%)、突然変異遺伝子(7~8%)、染色体異常(6~7%)などが報告されています。母体の薬剤使用が原因であると特定されるのは、先天大奇形発生頻度の3%を100とした場合の1%程度であり、薬剤による催奇形性の発生率は非常に少ないといえます。

文献:
James L.Schardein:CHEMICALLY INDUCED BIRTH DEFECTS Third Edition,Revised and Expanded CRC Press, 2000

報告された薬剤と催奇形性および胎児毒性の一覧を示します(表4)。
表5に妊娠週数と影響を受ける臓器を示します。9週目くらいまでが心臓、消化器や四肢などの重要な臓器が発生・分化する時期で、催奇性という意味では薬剤の最も影響を受けやすい時期になります。妊娠5カ月を過ぎると、薬剤の投与によって奇形のような形態的異常は形成されませんが、胎児毒性として様々な影響を及ぼすことがわかっています。例えば、胎児尿量の減少による羊水減少で胎児の循環の悪化につながってきます。ただし、例外的にワーファリンやACE阻害剤では形態的異常が起こります。

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